関川村小国町県境山域 光兎山 966.3m(途中敗退)

GPSLOG 20日9時天気図 20日9時衛星写真 林道からの登山口
届かないか・・・ もう少し進もう 雪煙の舞うダマシ 朴坂山方向



日 時   平成20年1月20日(日)  
参加者  会田さん、NEN(石井)さん、DAE(坂場)さん、QLO(佐久間)さん、OPL(高橋)さん、田中さん
      OII(田邊)さん、NTR(中村)さん、LTQ(私)
行き先  関川村小国町県境山域 光兎山(山域名称は勝手に思いつきで書きました)
天 候   1月20日 曇り時々雪
気 温   20日 -0.4度〜2.5度 (6時〜16時)
      20日 現地:-2°到達地点
風 速  20日 0M〜2M (6時〜16時) W〜ESE〜SE〜W
      (気象データ観測ポイントは新潟県下関)
ウインドプロファイラ
      20日09:00(観測地 新潟県高田)1KM NE 4M ;2KM N 4M ;3KM WNW 17M
装 備   冬山低山
登はん用具:ピッケル(使用せず)
雪山装備:Wストック・アバランチビーコン・スコップ
ナビ用品:GPS、Mポインター、地図、シルバコンパス
防寒具:合羽で代用・フリース
飲み物:水 500ml ポカリスエット500ml
食料品 ハイカロリーぜリー2個 握り飯2個 菓子パン2個
その他 非常食1,000Kcal分
残 量  ハイカロリーぜリー2個 非常食


コースタイム 事柄 備考
20日(日)
04:45 自宅発               コンビニで行動食を購入して集合場所へ
04:55 集合場所             総勢9名と聞いてこりゃ〜楽勝と思う。
06:00 中束集落着           
06:22 同上発              (85m)まだ、薄暗いなか林道を進む
07:27 登山口              (170m)
08:17 尾根が合わさる         (380m)
08:45 千刈線分岐           (450m)
09:40 奥山                (629m)
10:05 観音峰              (621m)
11:20 雷峰                (805m)
11:30 小トラブル             NTRさん踏み抜き
12:04 敗退ポイント           (817m)
12:15 休憩場所             整地後昼食大休止

13:17 下山開始
13:33 雷峰                (805m)
13:58 観音峰              (621m)
14:41 千刈線分岐           (450m)
15:18 登山口              (170m)
15:46 中束集落着            (85m)


GPSデータ
TP積算距離    13.6KM
TP移動時間      5:13
移動平均速度     2.6KM
全体平均速度     1.6KM
累積標高(+)     950M
最高到達点      849M

概略
18日夕方NENから電話を頂き、光兎に行かないか?とのこと。以前残雪期に雪庇を踏み抜いて青くなってから何となく足が向かない山だったし、無雪期に行きたい山でもなくお天気を観て残雪期にとは考えていたが積雪期のお誘いに少し考えた。二王子へ行こうかと思っていたんで・・・・。とはいえ、どうしても二王子である必要性もなく同行させて頂くことにした。

反省点
@ 9人で1,000m未満の低山の域をでない山でも5時間30分でも届かない。
A この冬は山行不足でスノーシューでの登行に結構疲れた。
B メンバーの一人が踏み抜きのトラブルが起きた。踏み抜きによる滑落は問題なかったが、雪崩の誘発があれば事故になっただろう。

記録
冬晴れの日、二王子あたりから北の方向に目をやると朝日連峰の西の位置に真っ白な八重歯のように尖った特徴的な山容が目を引く。標高は966.3mと低山ではあるがその容姿からなかなかの存在感を感じさせる。
また、その頂きまでの尾根は長く小さなアップダウンを繰り返す。そのため雪の締らない時期はことのほか時間がかかる。

朝、起きてお茶を飲み天気予報をCK・・・やはり荒れないけれどピーカンもないそんな感じだろう。
集合場所に着き待っているとメンバー集合・・・・大人数だ。総勢9人。これなら多少、積雪があってもイタダキでしょう。
そんな、楽勝気分で出発。途中旧黒川村坪穴付近の積雪をみると少し驚く。

中束の集落に着いて登山口近くに車を停める。準備をして出発するが未だ暗い。何人かはヘッデンをつけたが私は、あと15分もすれば明るくなるだろうとそのまま歩き始めた。
案外、暖かく感じる。直ぐにジワリと汗が滲む。

約1時間で登山口。登り始めると標識テープがベタ打ちされている。少し進むと標識が妙な方向にあり分かり難いが標識を無視して進む。

雪が案外多い所と薄い所が混在している。
それでも、平均的な傾斜で歩き易いが、私のザックのデフ棒が薮にひっかかり歩き難いこと、この上ない。
奥山の先のピークから観音峰に至る少し屈曲して下っていく場所で少し考えたがNENさんが覚えていたこと、地形図に従いコンパスを当て間違いないと判断して進むと直ぐに夏道と思われる場所に出た。

観音峰から先は、風の強いところは積雪量が少なく硬く歩き易い。そうかと思うと深い急斜面になったり深い雪の下りがあったりと、なかなか時間がかかる。

雷峰から少し進んだ所。たしか、私は後ろから2番目。トップを進んでいた田中さんがズレてNTRさんが前に出ようとした時、あの嫌な音と「アッ!」と叫ぶ声。目を向けるとDAEさんが進行方向左側に飛びついて捉まっている。その下にNTRさんが雪面を滑っていく。誰かが「スト〜ップ!」と叫んでいたが、私は止まるでしょ。と思っていた。でも何時、雪崩が誘発されてNRTさんを巻きこまないか?そればかり心配だった。幸い雪崩も起きず、雪庇も小規模で滑落も高低差7〜8m距離で30m位だろうか。NRTさんの停まった位置の少し下の地形が絞られ小さなルンゼ状になっていて雪が堆積していたので傾斜がダルんでいた。逆に言えばソコを目掛けて小規模な雪崩が溜まるイメージだった。
その後、自力で雪庇を這い上がってきたNTRさん。お疲れさまでした。

振り返り原因を考えると
@トップを進んでいた田中さんの位置がほぼ、雪庇との限界地点を通過していたのだろう。
A田中さんがトップを換わるため少し北側に避けた。
B少し避けた田中さんの南(風下)側をNTRさんが通過して行った。
CNRTさんが通過直後に小雪庇が崩落した。

避けるべき方法としては
T 田中さんがもっと大きく北側に避ける
U 田中さんが交代位置で停止してNTRさんが北側を廻りこむ
どちらでも良いと思うが、これは臨機応変といえるだろう。
少なくても田中さんが歩いた場所は落ちなかったので、交代時のトップのパスの仕方だったのではないか?
こればかりは、用心しても驚く事があるし、やはり嫌な予感とかそういう部分もあるだろう。
でも、小さなトラブルは100の伝聞より貴重な経験だと思う。これはその場にいた人共通の経験だと思う。
もっとも、一番肝を冷やしたのはNTRさんに決まっているだろうけど。

私も判っていたようなコトを書いているけれど、多分同じ事になっただろうと思う。
何せ長い時間、同じ状況で行動しているとどうしても集中力というか注意力が散漫になりやすいこと。
また、根拠など何もないのに『大丈夫だろう』という意識が働きやすいこと。
はやり、時間・距離に関わらず雪庇の出ている可能性のある所は『大丈夫だろうか?』と用心深く行動することを心がけたい。

この点において気象遭難と他の遭難事故を私は殊更、区別する。
天候悪化は気象データ、短期的な予想図を誰でも入手できる時代なのだ。
自分の不見識、不勉強が原因で遭難事故を起こす種類と予期し難い原因のものとがある。
でも、娑婆から観れば、五十歩百歩か・・・・
それにしても、恥ずべきは気象遭難。それは確実に回避する方法があるからだ。
もっとも、遭難救助を受けるというのはヤマ屋にとってはどの道、塗炭の苦しみ。
気をつけよう。

もう少し先に進んだ所でタイムアップ。
ヤセ尾根でいい場所がないので少し戻り雪堤の下を均して大休止。

振り返ると本峰方向のダマシ峰から雪煙が舞っていた。

これからオイシイ所なのに・・・と思いながら食事をして下山
疲れた脚をパタパタ動かして下山路を下る。
やっと林道に降りてもまだ集落まで一ガンバリを加える。

関川村のゆ〜むで汗を流し帰途につく。

みなさんお疲れさまでした。
今度は、締った雪の硬い時に行きたいものです。






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